• 人口の高齢化加速と、COVID-19感染拡大の中、日本の医療需要拡大は既存インフラ・財政の持続可能性に影響を及ぼしている
  • 日本の医療システムは長期戦略的視点で遅れを取っている
  • 薬価改定・診療報酬制度は、医療システムに意図しない非効率性をもたらし、医療システムの抜本的構造改革にブレーキをかけている


日本・東京 - Media OutReach - 2020年9月23日 - 過去60年、日本は比較的小規模な制度改革により、優れた医療サービスを提供してきた。国民皆保険制度を通じ、手ごろな価格で最先端の医療サービスを受けられる高い水準のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を実現してきた。しかし、こうした成功体験は、痛みを伴う改革の先延ばしを招いた側面もある。先進医療の高額化が進む現在、需給バランス調整メカニズムの欠如、人口の高齢化がもたらす負荷、医療経済性の検討といった大きな課題が浮上している。こうした現状は医療制度、ひいては社会・経済全体の持続可能性に大きな影響を及ぼす可能性がある。

 

持続可能な医療制度の実現には、医療資源の効率的な活用だけでなく、環境変化への適応と課題克服に向けた取り組みが欠かせない。直面する問題への適切な対応と、革新的医療制度の模索・実現のために求められるのは、政治的リーダーシップだ。日本では人口の高齢化と医療財政のひっ迫が特に大きな課題となっている。

 

持続可能な医療の実現に向けて:新たな構造改革のビジョン』はファイザーによる協賛のもと、ザ・エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が作成した報告書である。日本の医療が直面する機会・課題、他の先進国との比較を通じた既存制度の持続可能性について検証を行っている。本報告書の作成にあたっては、予防医療・包括医療・医療人材長期ケアなどの分野について、先進国との比較調査を実施。日本における医療体制の現状を評価するスコアカードを作成した。

 

本調査で明らかとなったのは、日本が今後、長期的に医療システムを維持していくためには医療システムに抜本的改革が必要だということだ。日本の医療には、治療費が高額で医療格差の目立つ米国と比較すれば優れた面が多い。しかし、制度的な持続可能性を左右する5つの要因(長期戦略的視点・予防医療と保健医療インフラ・包括医療モデルの有無・説明責任と患者中心の医療・研究開発体制)のうち3つで英国やフランス、韓国に後れを取る。日本の医療システムが最も高く評価されたのは長期戦略的視点のカテゴリーであり、評価が低位に留まったのは包括医療のカテゴリーであった。日本の医療システムが長期的な安定を確保するためには、インセンティブの見直し(現行制度では医療サービスの受給バランスを調整することなく薬価・材料価格の引き下げが定期的に行われている)、構造改革の足枷となっている診療報酬制度の見直し、およびジェネリック医薬品とバイオシミラー医薬品の適切な活用が鍵を握る。

 

本レポートの編集責任者ジェシー・クイグリー・ジョーンズは次のように述べている。「日本の医療システムはその品質、フリーアクセスの実現など、優れた点が多くあります。しかし、このシステムの持続可能性については課題も見えてきています。新型コロナウイルス感染症の感染拡大からも、日本の医療システムの脆弱性や、救急医療システムの崩壊を危惧する専門家の声が上がっており、より広域な医療システムや経済への連鎖的影響が見えて来ています。今回の調査では、改革へ向けた長期的かつ前向きな道筋に光を当てました。今後、次世代、次々世代まで持続可能な日本の医療システムを構築していくためには、エビデンスに基づいた政府の決断も不可欠です」。

 

Talk to Media OutReach today

Let Media OutReach help you achieve your communication goals. Send an email to info@media-outreach.com or click below. You will receive a response within 24 hours.

Contact us now